これから高配当株投資を始めようという方にとって、大きな壁となるのが株式用語や財務用語だと思います。
「解説記事を読んでもちんぷんかんぷん、もうやってられん!」
とならないように、まず初めに覚えるべき用語を8個厳選しました。
- 配当利回り
- 税引前・税引き後(配当所得)
- EPS
- 配当性向
- 自己資本比率
- 営業利益率
- キャッシュフロー
- 有価証券報告書
とりあえずはこの8個を覚えて、それから他の用語を覚えていっていただければと思います。
では、それぞれ解説していきます。
1.配当利回り
まずは基本となる配当利回りから。
簡単に言うと「その株を買った時の全額のうち、1年間の配当でどれくらい返ってくるか」です。
例えば1000円で買った株のうち、1年で100円配当が出れば、100円÷1000円=10%
1年で30円配当がでれば、30円÷1000円=3%
概ね4%を超えるといわゆる高配当株と言われてきます。
2.税引前・税引き後(配当所得)
みんな気になる税金の話。お金を稼ぐと税金がかかってきますが、配当も例外ではありません。
配当でもらったお金は配当所得と呼ばれ、基本的に配当所得の20%が税金でもっていかれることだけ覚えておけばOKです。
株を買う時に「特定口座」か「一般口座」かを選ぶのですが、「特定口座」を選んでおくと勝手に税金を証券会社が天引きしてくれますのでご安心ください。確定申告は不要です。
ちょっと配当金が増えてきたら、配当控除という制度も検討していく必要が出てきます。
ですが、損をしたくなくて中々動き出せないという状況よりも、動き出しながら色々覚えて行くことをおすすめしますので、とりあえずは20%税金がかかるということだけ覚えて始めちゃってください。
配当利回りで考えると、多くの株価のホームページで掲載されている利回りは税引き前の利回りです。
ですので、実質的に2割引きで考えた税引き後の利回りも意識する必要があります。計算は簡単、税引き前利回り4%なら、4×0.8=3.2%が税引き後の利回りです。
3.EPS
さあ出てきました、みんな大嫌い英語3文字 笑
こういう時は日本語にしましょう。EPSは「一株当たり利益」です。
Earnings Per Shareの略で、会社全部の利益を1株ずつに分けたらいくらになるの?ということです。
例えば、
A社が1株1000円を100株発行して、資本金100000円の会社を立ち上げました。1年間で1万円の利益を上げました。100株で利益を分けると、1株当たり100円の利益になりますよね?
なのでA社のEPSは100円となります。
次に、
B社が1株500円を200株発行して、資本金100000円の会社を立ち上げました。1年間で1万円の利益を上げました。200株で利益を分けると、1株当たり50円の利益になりますよね?
なのでB社のEPSは50円となります。
A社とB社は、資本金の金額も稼いだ金額も同じなのですが、発行株数が違うのでEPSが変わるのです。
超重要指標なんですが、なぜ重要かを考えるより、まず覚えちゃいましょう。
覚えて色々見て行くうちに、なぜ重要かわかってくるはずです。
4.配当性向
配当性向は会社の稼いだ利益のうち、何%を配当に出しているの?という指標です。
簡単に理解するためにEPSを知っておくことが大事です。
先ほどのA社が「一株当たり30円の配当を出すよ」と言った場合、EPS(一株あたり利益)は100円なので、配当(30円)÷EPS(100円)=配当性向(30%)となります。
先程のB社が「一株当たり30円の配当を出すよ」と言った場合、EPSは50円なので、30円÷50円=60%となります。
A社30%に対して、B社60%なので、B社の方が配当金をいっぱい出していることがわかります。
前回の記事でも書きましたが、配当を出しすぎると、会社の成長の妨げにもなります。また、配当性向が高い場合、今後配当が上がることも見込みにくいですし、不景気で会社の利益が落ちた時に、配当が下がってしまいやすいです。
配当性向は50%程度を上限の目安にして、低ければ低いほどよいでしょう。
5.自己資本比率
こちらは株式用語というより財務用語です。
自己資本比率とは、会社全体の資産の中で、自分で持っている資産は何%か?です。
資産というのは、銀行から借りているお金=借金も含んでいます。なので、借金ができるだけ少なく、自分のお金でやっている会社を選ぶ時に重要な指標となります。
できれば自己資本比率60%以上の会社を選びましょう。
どこで見ればいいの?と思われますが、一番おすすめはIRバンクです。こちらのサイトで会社の情報を調べるといいと思います。
6.営業利益率
こちらも財務用語です。
営業利益率は、「本業でどれだけ効率よく稼いでいるか?」です。
薄利多売という言葉を思い浮かべていただければいいと思いますが、薄利多売企業は営業利益率が低いです。
薄利多売って大変ってイメージありますよね?初めはその程度の認識でよいと思います。
営業利益率は概ね10%をこえてくるとよいかと思います。
他にも似たような言葉で、経常利益率や純利益、自己資本利益率(ROE)とか出てきますが、とりあえず最初は営業利益率だけ抑えておけばOKです。
これもIRバンクを見ていただければと思います。
7.キャッシュフロー
これも財務用語です。
キャッシュフローとは「現金の動き」です。
現金というのは、土地とか建物とか設備とか他の資産と比べて、「すぐに使える」というメリットがあり、とても重要です。これまで解説してきた指標はほとんど、現金以外の資産を含むものになりますが、純粋に現金だけの動きを表すのが、このキャッシュフローです。
これもまたIRバンクを見ていただけるとよいかと思いますが、キャッシュフローでは主に4つのポイントをみてください。
- 営業活動(本業のお金の動き)
- 投資活動(投資などのお金の動き)
- 財務活動(借金の借入や返済)
- 現金等
できれば本業でいっぱい稼いで、投資もちゃんとして、借金の返済が順調で、現金をいっぱいもっている会社を選びたいですね。
8.有価証券報告書
こちらは、上場企業が決算を出す時に提出が義務付けられている資料で、記載するべき項目も決められています。
IRバンクでも確認できますし、会社のホームページにも大体のっています。
有価証券報告書には、会社の超重要情報がいっぱい記載されていますので、できるだけ目を通すようにしてください。
特に見てもらいたいのが、「事業の内容」と「事業等のリスク」です。
その会社がどんな事業をやっているのか、今後どんなリスクがあるのかを、会社としてどう認識しているのかを確認できます。
以上、8用語の解説をしました。
- 配当利回り
- 税引前・税引き後(配当所得)
- EPS
- 配当性向
- 自己資本比率
- 営業利益率
- キャッシュフロー
- 有価証券報告書
とりあえず、この8用語を覚えておいていただければ、高配当株投資を始められると思います。